オープニングロールの41で13/8というセーフティなムーブをするのは、「何もしていない」悪い手とされます。先手をとるというアドバンテージを生かして、次に仕事をできるようなムーブ(スプリットなりスロットなり)をするべきということです。
それではレスポンスの41ではどうでしょうか?13/8はやはり「何もしていない」のですが、それ以外の手のリスクが大きい場合には消極的に支持される場合があります。
52Z-41
最もよく遭遇するのが、先手が22にスプリットしたケースです。そもそも先手が22にスプリットするのは、INBCではほとんどが52ですので、以下では52Zについてのみ考えます*1。
このときに、オープニング41のときのように13/9とビルダーを下ろすと、相手の22ポイントのダイレクト圏内に入ってしまいます。最序盤において6の目は使い道に困る場合も多いのですが、相手の6の目に明らかないい仕事をさせてしまうのがよくないのでしょう。ということで、9ポイントにとどめずに8ポイントに上げてしまう手が(消極的に)よいとされます。また、24/20 24/23というダブルスプリットも悪くありません。ハイアンカーを取りやすくなるので、ギャモン負けを避けたい場合はこちらが支持されます。
INBCではどのような手が選ばれているでしょうか。
- 13/8: 9
- 24/20 24/23: 10
- 13/9 24/23: 9
- 8/3*: 2
13/8と24/20 24/23は、観測されているスコア状況においては10点以内の差しかありませんので、好みに応じてと言ったところでしょうか。先手番のようなマイナースプリットを選んだ人が3割ほどいますが、これは明確に損する一手となっています(50点級のエラー)。
面白いのは3ヒットですね。2つの目を使ってルースヒットするというのはあまり効率がよくないのですが、これが選ばれた2回のうちの1回は4a-1aクロフォードというギャモンゴーの状況であり、最善ではないもののリーズナブルなエラー(10点台)にとどまっています。もう1回の状況はINBC順位戦(現在のINBCリーグ)ですので、順位表の状況によってはこれもリーズナブルであった可能性があります。
64P-41
以前述べたように、INBCでは初手64で2ポイントメイクをする人がそこそこいます。その場合に後手が41を振るとどうでしょうか? 1の目でのスプリットができなくなるので、実質的な選択肢がほとんどありません。INBCでの選択は次のようになっています。
- 13/9 6/5: 8
- 13/8: 4
この2つの手には、評価値としては大差がありません(観測範囲では20点以内)。スコアリードの時は13/8、DMPでは13/9 6/5が支持されることを覚えておくと役に立つでしょう。
大事なのは、24/20を考えないことです。64Pに対してメジャースプリットをするとブリッツ志向な相手の思う壺になりがちです(実際、64Pに対する54も2枚下ろしが支持されます)。ましてこの場合は、1の目でさらにブロットを晒すことになってしまいます。
(関連)レスポンス32では?
レスポンスの32で13/8というムーブは、先手のアクションプレイ(62S/63S/64S)を中心に数回観測されています。ですが「許される」というほどでもない損失がありますので、そういう手はないものと考えた方がいいでしょう。
蛇足ですが、ギャモン負けしたくないときの62S-32はダブルスプリット(24/21 24/22)が優秀だったりします。スプリットした2枚がいずれも相手11ポイントのビルダーからインダイレクトなのがいいのでしょう。ダブルスプリットについてまとめる機会がないかもしれないので、ここで触れておきました。
(関連)レスポンスの13/6は?
13/8は、13ポイントと8ポイントの配置を5枚+3枚→4枚+4枚と均しているという点でわずかなプラスがあります。しかし13/6では6ポイントに6枚目を積むことになってしまい、13/8にあったわずかなプラスすらありません。ということもあってか、13/6が許されるケースというのは見受けられませんでした*2。